ここで考えてみたいのは、言葉以前の不文律としての規範意識は何を土台にしているのかです。
規範意識が人の心の奥底から自ずと湧き上がってくる感情であり、相手のプラス視が人間の相手尊重の最も原点にあるとすれば(これは私の仮説ですが)、それは相手からの期待(を感じる機能と、それに応えることで充足を感じる機能)ではないでしょうか?
このことは赤ん坊が、幼児期の子供が母親や家族たちの表情を見ながら、物事や行動の善悪の判断を徐々に積み重ねていくことで、その後の規範意識の土台を作っていくということからの類推です。
もちろん規範意識は経験の蓄積によっても形成されるでしょう(経験認識や自然認識を元にした諸規範)。それは大脳の発達した動物から受け継いだ機能(記憶回路)を土台にしています。
しかし人間に見られる規範意識はそれとは必ずしも全てが重なるわけではないように思われます。
仮に上記の説に立つとすれば、冒頭に記したそれぞれの現象や機能は、母子のスキンシップを原点とする充足機能(取りあえず親和機能と呼びます)
→相手のプラス視
→それを土台にした、相手の期待を感じ、期待に応えようとする機能(規範意識の土台)
という関係となるのではないかと考えられます。(これら全てを共感機能と呼んでもいいかもしれません)
つまり期待に応えようとする意識が、相互に働き合うことで、規範意識の土台が形成され、更にその土台の上で観念化された社会規範を受容していくのではないでしょうか。
| 北村浩司 |
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